あなたは「明日から本気出す」という先延ばしの無限ループに陥っていないでしょうか?

「予想通りに不合理」という行動経済学の本を友人に薦められて読んでみたところ、 先延ばしという問題に関して、役に立つ情報があったので紹介します。

問題 – レポートの締切に関する実験

この実験は、著者ダン・アンエリーによる講義中に実施され、 MITの学生を実験台にしたものです。(この本の実験台はMITの学生であることが多い)

学期中に提出する3本のレポートの締切を、
以下の3種類に設定し、
先延ばししてしまうのか、きちんと提出できるのかを検証。

① 各レポートの締切を学生自身が決める
  レポート1から3それぞれに締め切りを設定
  自身で決めた期日を過ぎたら受け付けない

② 全レポートの締切は学期末とだけ決められている
  それまでなら各レポートをいつ出してもいい(早くても成績は変わらない)

③ 各レポートの締切が予め決められている
  レポート1から3の締切が学期中に等間隔に設定されている

どの選択肢が一番きちんとレポートを提出できたと思いますか?





答え

③の”各レポートの締切が予め決められている場合”が、一番成績が良かったそうです。
締切効果はだれもが体験したことがあるはずですし、納得ではないでしょうか。

そして、②の”全レポートの締切は学期末とだけ決める場合”が、一番成績が悪かったそうです。
近くに締切がないとずるずる後回しになってしまう経験もあるかと。
そして3つのレポートを全部学期末にやるのは無理があって破綻してしまうんですね。
この実験で単位を落としてしまった学生は自己責任とはいえ、狙い通りに落とされているので若干かわいそうです。

さて、残った①の”各レポートの締切を学生自身が決める場合”ですが、
このように自分で締切を決めても、先延ばし対策として効果があるという結果が明らかにされています。

ただし、身の丈にあった締切に設定できないと、提出できずに終わった学生もいたため、予め締切が決まっているよりは成績が悪かったとのこと。

つまり、自分は先延ばしをすると認めて、 身の丈にあった締切設定ができれば、 目標達成率が上昇するわけです

注意点

試験や大会のように締め切りが決まっているものは、さっさと申し込んでしまう。そうすれば、申し込んだ時点で締切が設定されるので、先延ばししにくくなると思われます。

ですが注意点もあります。

学生のときに一度、応用情報技術者の試験を申し込みましたが、勉強が間に合わず受験に行かなかったことがあります。
専門知識の乏しさと、申し込んでからの期間の短さから、合格に非現実さを感じてしまい諦めてしまったからです。

身の丈にあった目標設定じゃなかったわけですね。

申し込んだだけで達成できるわけでは当然ないので、
目標に向けてどんなペースで何をやっていくのか。
あまりに大きな目標設定になっていないか。

申し込み開始時点から対策を始めては間に合わないようなものであれば、
自身で別の締切を設定して事前の対策も始める。

そういった対策も必要です。

とはいえ、達成したいことがあれば締切効果が基本的には有効ですから、
どんどん活用していきたいですね。

最後に

MITの学生という、世界を代表するカシコな方々でもやり方次第では先延ばしの罠にかかるというのは、勇気づけられないでしょうか。

先延ばしについては「予想通りに不合理」の15章ある内の1章にすぎません。
他にも面白い実験や役に立つ示唆がたくさんあるので、興味があれば読んでみてください。割とさくさく読めると思います。

※MIT:マサチューセッツ工科大学。全米屈指のカシコ大学。